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ゲーム制作の専門学校へ進学するのを反対されたら【どう説得する?】

ゲーム制作の専門学校へ進学するのを反対されたら【どう説得する?】
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「ゲームクリエイターになりたい。ゲーム制作の専門学校に進学したい」と親に伝えたら反対されてしまった…。

最近はゲームクリエイターという仕事の知名度も上がっているのでこのようなことは減っているかもしれませんが、他の仕事に比べたら反対される可能性が高いのがゲームクリエイターでしょう。

AMAGAMI
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この記事ではそんな時の解決に役立つかもしれない考え方や、いくつかの具体例についてお伝えしていきます。

親が心配する気持ち不安に思う気持ちを理解して、それを1つずつ取り除いていくことがポイントです。

2つの思考タイプ

人が何かを決める時の思考タイプは大きく2つに分かれます。

論理タイプと、感情タイプです。

自分の持っている情報に照らし合わせて思考を重ねた上で結論を出すのが論理タイプ。

感情に沿って結論を出すのが感情タイプです。

一般的に、男性に論理タイプ寄りが多く、女性に感情タイプ寄りが多いようです(完全に当てはまるわけではありません)。

どちらかに偏っていたり、中間くらいの人もいるでしょう。接する時間が長い家族であれば、なんとなくどちら寄りかイメージはつくでしょうか。

タイプ別に、説得を成功させるための対応法を考えていきます。

論理タイプへの対応法

データを集める

論理タイプに意見を変えてもらうには、データが重要です。

例として父親から「専門学校に入ってもゲーム業界に就職できる可能性は低い。高卒で独学しても同じ」と言われたとしましょう。

この意見を変えてもらうには「専門学校に入ることでゲーム業界に就職できる可能性が高くなる」データを出します。

データ例1:業界就職率

例えばこちらの記事で「業界就職率」についての話をしました。

就職率100%は嘘?失敗しない専門学校の選び方【業界就職率を見る】
就職率100%は嘘?失敗しない専門学校の選び方【業界就職率を見る】専門学校を選ぶ時に大切なポイントは1つだけです。業界就職率を見ておけば、まず失敗することはありません。就職率と業界就職率の違いと実態について解説します。...

学校のWebサイトなどでは公表されていないことが多いので、ゲーム制作の学科がある専門学校に足を運べる範囲で訪問して業界就職率について質問して回る。メールで問い合わせる。

これで各学校の業界就職率データを集めることができます。

僕がこれを実際にやってみて分かったのは、業界就職率5%〜10%など限りなく低い学校もあるということです。

できればこういう学校を1つは見つけて下さい。世の中にあふれているので簡単に見つかります。

なぜならこれは「専門学校に入ってもゲーム業界に就職できる可能性は低い」と一致する父親の意見を裏付けるデータだからです。

これで父親の意見を「否定」する必要がなくなります。誰だって自分の意見を否定されるのは嫌な気持ちになります。

集めたデータを持っていき、例えばこのように伝えます。

父さんの言う通り、専門学校の業界就職率を調べたら5%って学校もあって、ゲーム業界に就職できる可能性が低いっていうことがよく分かったよ。でも、他には40%、50%の学校もあって、ゲーム制作についてしっかりと学べる学校を選ぶのが大切みたいなんだ。良い学校が選べるように、一緒に調べてほしいんだけど…。

この例の中でも、重要なポイントが4つあります。

  1. 否定ではなく、肯定から入ること
  2. 結論をここで求めないこと
  3. アドバイスを求めること
  4. 小さなYesを取ること

1つ目は上に書いた通りです。肯定から入ることで、話を聞いてもらえる可能性が高くなります。

2つ目については、ここで「業界就職率の高い学校を選べばゲーム業界に就職できる可能性も高いから、専門学校に行ってもいいかな?」というように結論を求めてしまうのはNGということです。

これは論理タイプにとって非常に重要なポイントで、専門学校が有効であると信じてもらうには有効であることを示すデータをたくさん見てもらう必要があります。皆さんが用意したデータでは皆さんにとって有利なデータである可能性が高いので、それだけでは説得力不足です。

まずは専門学校という存在について興味を持ってもらうことが必要です。ここではあくまで「専門学校もアリかも?」と興味を持ってもらうことに留めて、あとは父親自身がデータを自主的に集めてくれる方向に持っていきます。それが3つ目です。

アドバイスを求めるのは最強の心理テクニックの1つです。アドバイス・シーキングという名前も付いています。

とある研究では、アドバイスを求めるだけで交渉の成功率が5倍になったという結果も出ているそうです。

人は誰しも頼られたいという欲求を持っています。親であれば尚更です。

アドバイスを求めることで、皆さんが意見を押し付けようとしているのではなく真剣に目の前の問題について取り組んでいることが伝わります。

このようにYesを貰いやすいお願いをするというのが4つ目のポイントです。

これはYesセットという心理テクニックです。

本来Yesを貰いたい内容(今回であれば専門学校に進学すること)の前に小さなYesを何度も貰っておくと、簡単にはNoと言えなくなるもので心理学では「一貫性の法則」と呼ばれています。

事あるごとに簡単にYesを貰えそうなお願いをしておくと効果的です。

データ例2:ゲーム開発者の就業とキャリア形成2019

「CESA」からゲーム開発者の就業とキャリア形成2019というアンケート調査の結果が公開されています。

CESAという名前に馴染みがないかもしれませんが、東京ゲームショウ(TGS)を主催している協会です。

他にも日本ゲーム大賞の中でアマチュア向けのコンテストを開いていたり、ゲーム業界の技術セミナーの中では最大規模のCEDECを開催していたりと、専門学校やゲーム業界に入ったらほぼ間違いなく関わることになる協会です。

このアンケート調査から、最終学歴の部分を引用します。

この調査はクリエイターが対象の中心になっています。専門学校と大学が大部分を占めていますね。

ゲーム会社に勤める人。という範囲だったら経理・人事なども含めて大学卒の割合が増えるはずですが、専門学校卒のクリエイターが多いことはデータが示しています。

もう1つ興味深い最終学歴別の年収データを引用しておきます。

高校卒業のところを見ると、平均年収が高いことが分かります。

理由は年齢を見れば分かります。平均年齢が39.1歳と高いですね。

これはこう捉えることができるでしょう。「以前は高卒でゲーム業界に入る人も多かった。時代が進むにつれて減っている」と。

各ゲーム会社の採用サイトで募集要項を見ても、専門学校、大学、大学院に条件が絞られていることが多いです。これについてはぜひ皆さんも興味のあるゲーム会社について調べてみて下さい。

データ例3:ゲーム開発者の在宅勤務に関するアンケート調査2020

ちなみに今年はゲーム開発者の在宅勤務に関するアンケート調査2020が公開されています。

ゲーム業界は新型コロナウィルスの流行でいち早く在宅勤務に移行できた業界の1つであると言えるでしょう。僕も2020年7月現在、在宅勤務です。

今後も同じような状況になった時に在宅勤務ができる業界であるということを示すデータも、安心感の1つに繋がるかもしれません。

感情タイプへの対応法

感情タイプに意見を変えてもらうには、行動譲歩が効果的です。

行動する

皆さんはゲームを作っていますか?

もしゲームを作っていないなら、ゲームを作ることが最重要ポイントの1つです。学校に入らなくてもゲームを自分で作り始めることは簡単にできます。

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まずは、ゲームを作ろう。ゲームクリエイターの適性とは【作ることが好きなのか?】ゲーム好きというだけではゲームクリエイターになることはできません。実際にゲームを作って適性を確認する必要があるということについて、詳しく解説しています。...

「ゲームを作っていてすごく楽しい。ゲームを作る仕事がしたい」と「ゲームを作る仕事をしてみたいから専門学校に行く」では説得力が全然違います。

必死にゲームを作っている姿を見せることが応援する気持ちにさせ、熱意を伝えることになります。

また、先ほどのようにデータを集めるという行動も効果的で、更にワード(Googleドキュメント)やエクセル(Googleスプレッドシート)で資料にまとめると真剣さがより伝わるでしょう。

譲歩する

譲歩するというのは相手の意見も一部は聞き入れ、落とし所を探すことです。

例えば母親から「1人暮らしだと食事など、健康面が心配」と言われたとします。

こういった時は、心配を取り除けるように配慮します。

ケース例1:学生寮に入る

学校が家から通える距離ではないというのが1人暮らしを始める理由なら、食事付きの学生寮に入る手があります。

はい。これも僕が実際にやったことなのですが、食事面で心配をかけないように朝・夕食が付いた学生寮に入りました。

しかも僕の場合は実家からも通おうと思えば通える距離(1時間くらい)だったので反対は強かったのですが、通学時間の分を勉強に使いたいことなども伝えて学校から徒歩5分ほどの学生寮を選びました。

就職が決まったあとはそこまで時間を使わなくてもいいだろうということで、4年間のうち3年間だけ学生寮で過ごすため3年契約にするという条件も付けました。

入ってみた結果としては、部屋は狭いものの快適だし、寮で出会った友達とは一緒にゲームを作ったり、徹夜でボードゲームをしたり(これは遊びすぎたと反省してる部分も…)と、とにかく過ごしやすかったので結局4年目も親に頼み込んで契約を延長してもらいました(笑)

また、学生寮のよくあるイメージ?としてプライバシーがないというものがありますが、食堂などの共有スペース以外はアパート・マンションと同じで個室だしトイレもお風呂も部屋に付いているので特に問題ありませんでした。

こういった学生寮は、探してみると結構見つかります。また、学校が提携しているケースも多いでしょう。

そしてこれはナイショなのですが、2年目からギリギリの時間に起きていたので朝食を食べることは滅多になく、夕食も友達と外食に行くことが増え食べる頻度はどんどん減っていきました。

まさに心配された通り不健康まっしぐらだったわけでダメな例ですが、自分から言うか寮長さんにバラされたりしない限りはバレません。

少なくとも心配を取り除くという目的は達成したわけです。このように相手の意見にも寄り添うことで、応援してもらえる可能性は高くなります。

ケース例2:自炊を頑張るから料理を教えてほしい

もう書かなくても分かりますね(笑)。アドバイス・シーキングです。

また、実際に教えてもらいながら料理を作るということも行動で示すことになります。

同様に「家事をまともにできるのか心配」と思われているなら、他の家事についても教えてもらいましょう。

そんなの嫌だ。と感じる方もいるかもしれませんが、ここは我慢。皆さんが普段そういうことを頼まないような間柄であればあるほど、相手からしてみたら「譲歩してくれている」と強く感じます。

まとめ

受け入れがたい内容があったかもしれませんし、CESAのデータを見て専門学校ではなく大学もアリかも?というように自分の考えを見直すきっかけになったかもしれませんね。

今回紹介したのはほんの一例にすぎないので、ご家庭の状況に合わせて対応を考えてみて下さい。

ベースとなる考え方は、これまで述べてきた通りです。

どうしても行き詰まってしまった時はTwitterのメッセージやお問い合わせフォームからご連絡いただければ僕も一緒に考えます。当然の事としてプライバシーはしっかりと守ります。

この記事が何かしら参考になったなら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!