プロのゲーム開発現場で使われているツールは高価なものが多いですが、学割を利用することで安く使えたり、中には無料になるものもたくさんあります。
プロが利用しているツールは機能が豊富なだけあって覚えるのが大変です。しかしながら、使いこなせば効率よく制作を進めることができます!
また、特にデザイン系ではツールの使用経験を採用条件としている企業も多いです。
そこで今回は開発現場で使われているツールで、かつ学割を使って安く利用できるものを紹介していきます。
ツールの中には学割の適用条件として営利目的でないことなどが含まれている場合があります。適用条件に関しては各ツールの公式サイトでしっかり確認するようにして下さい。
目次
Apple製品
ツールとは少し違いますが、MacやiPadなど一部のApple製品は学割で購入できます。
PCの割引購入は学校が実施している場合もあるかと思うので、比較した上で検討して下さい。
対象になるのは大学生、高専生および専門学校生です。
これらの学校に進学が決まっている高校生も証明できる書類があれば入学前に学割で購入できます。
Mac
Macbookなどは5000円ほど安く購入できます。
ノートPCを購入するならMacをオススメする理由について、別の記事で解説しています(記事中で解説していますが、最新Macbookを購入する場合は注意が必要です)。
Cubase
先に書いたLogicProと同じく人気のDAWソフトです。最新版のCubase13が2023年11月に発売されました。
CubaseはPro・Artist・Elementsの3種類グレードがありますが、いずれもアカデミック版を購入すると3割以上安くなります。
楽天やAmazonで購入できますが、購入時に学生証などの身分証明書コピーを提出することが必要です。また、販売サイトが同じでも販売店舗が異なるので注意して下さい。
Adobe CC
Photoshop、Illustratorに代表されるAdobe製品が最大65%OFFで利用できます。
CreativeCloudコンプリートプラン(税別月額1980円※)であれば、全種類使えます。
※2年目以降は2980円になります。
Photoshop
2Dデザインの業界標準になっているツールです。
ゲーム制作においても素材作りから画像加工まで幅広く使えて、もはや手放せない存在です。
Photoshopのみを利用したい場合は、コンプリートプランではなくフォトプラン(税別月額980円)も利用できます。
ただしフォトプランは一般価格と同じなので、学割メリットはないです。
Illustrator
名前の通りイラスト制作はもちろん、ロゴやパッケージなどの作成にも向いているツールです。
こちらもPhotoshopと併せて業界標準になっています。
AfterEffects
動画編集ツールです。
名前の通り映像に効果を付けたり、細かい編集が出来ます。また、一から映像を作ることもできます。
PremierePro
こちらも動画編集ツールです。
AfterEffectsとの違いとして、動画のカットやつなぎ合わせに特化しています。
AfterEffectsとPremiereProを組みあわせて使うことで、効率よく動画を作ることができます。
Audition
音声編集ツールです。
比較的手軽に使えるのでゲームに使う効果音を加工する時など重宝しています。
Adobe製品は各ツール同士の連携がとりやすいように作られていて、組み合わせて使うと便利です。
卒業後の学割について
AdobeCCは年間契約なので、卒業後も更新月が来るまでは学割料金で利用できます。
僕の場合は卒業後の学割が終わるタイミングで解約しようとしたら、学割と同じ金額のまま継続利用できるクーポンをもらえました。
しかも有効期間は2年間!
今後も同じようにクーポンがもらえるかどうかは分かりませんが、卒業後も学割料金で利用できる可能性があると言えます。
学生じゃなくてもAdobeCCを安く利用できる方法
(2022年3月20日 追記)なんと社会人になった後でもAdobeCCを安く利用できる方法がありました!
オンラインスクールのデジハリONLINEでAdobe(アドビ)マスター講座を購入すると、社会人でもアカデミック版のAdobeCCを1年間利用できます。
商用利用可能など、コンプリートプランと内容は全く同じです。
実際に講座を受講するかどうかは任意なので、初心者でAdobe製品の基本操作を学びたい人にはもってこいでしょうし、そうでない場合もライセンスのために購入すればOKです。
そしてこれは1回しか購入できないわけではなく、2年目以降でも購入すればライセンスを更新できます。
今後も同じ料金で提供されるかはわかりませんが、提供されているうちはぜひ利用したい方法です。
Maya
3Dモデリングツールは色々ありますが、プロの開発現場でよく使われているのはAutodesk社のMayaです。
Mayaは料金が高く、2024年時点の料金は年間で税込286,000円です。(これでも昔に比べればかなり安くなりました)
学生であれば他のAutodesk製品も含めてなんと無料です。正直これを学生のうちに使っておかない手はないと思います。
Substance Designer/Painter
※ 以下は2020年ごろの情報です。AdobeがSubstanceを買収したことにより各種リンク先など変わっており、情報が不正確である点をご了承ください。
3Dモデルのテクスチャを作成できるツールです。リアルなテクスチャを作成でき、UnityやUnrealEngine、Mayaなど各ツールとの連携も可能です。
商用利用は残念ながらできませんが、学習目的に限り無償版を利用できます。
DesignerとPainterの違い
この2つは組み合わせて使います。
Designerはノードベースで1枚の材質テクスチャを作成することに特化しています。
実際にキャラクターの3Dモデルに適用する場合、材質は1つではなく肌、服の布、鎧の鉄など、複数必要です。
そこで登場するのがPainterです。
3Dモデルに対してプラモデルに色を塗るのと同じイメージで、Designerで作成した材質を部分的に塗り分けながら反映することができます。
このようにそのキャラクター専用のテクスチャを作成するのがPainterです。
登録方法
僕が学生ではないので実際に申請ボタンを押すところまでは解説できませんが、登録ページの紹介だけしておきます。
ログインページにて会員登録、ログインした上で、学生ライセンスのページを開きます。
Are you a Teacher/Student のところは Student を選択して下さい。
以下ライセンス条文を翻訳したものを貼っておきます。
あなたは、自宅や個人のマシンで使用するために、1年間(更新可能)有効な無料の個人ライセンスを受ける権利があります。
Substance Sourceのサブスクリプションとファイルは、無料のStudent/Teacherライセンスには含まれていません。
学校のマシンで使用するには、Educational Substance Source Campusライセンスが必要です。このライセンスは、個人的な学習目的にのみ使用してください。学校のコンピュータ上で使用したり、教えるために使用することはできません。これらの用途については、教育用ライセンスについてご相談ください。
University(大学)の項目がありますが、大学生以外、高校生も登録可能です。
念の為全てローマ字で入力しておいた方が良いと思います。
First Name | 名前(名) |
---|---|
Last Name | 名前(姓) |
University Name | 学校名 |
University City | 学校のある都市(東京ならTokyo、大阪ならOsaka) |
University Country | 学校のある国 |
Studies | 学校で勉強していること。高校生はHighSchool |
最後にファイル選択のところで学生証の写真(名前・学年もしくは卒業年がしっかり写っているもの)を添付して送信して下さい。
Houdini
ハリウッド映画のVFX(特殊視覚効果)制作でよく使われていることで有名なツールです。
ゲーム制作においては、パーティクルエフェクト作成に利用されています。
機能は多少制限されていますが、学生用の無料版があります。
製品版である「HoudiniFX」と同等の機能をもつバージョンも学生であれば年間75ドルで利用できます。
JetBrains IDE
プログラム言語ごとに専用エディタが提供されているJetBrains社の製品です。
ゲーム開発でよく使われる言語だと以下の製品があります。
C/C++ | CLion |
---|---|
C# | Rider / ReSharper |
JavaScript/TypeScript | WebStorm |
Python | PyCharm |
PHP | PHPStorm |
Ruby | RubyMine |
いずれも強力なコード補完機能や、バグの原因になりえる箇所を警告してくれる機能などがあり、とても便利です。
その分だけエディタも重くなるのがネックですが、メモリを多めに積んでいるPCがあれば快適に使うことが出来ます。
学生は全製品無料で使えます。登録方法を解説した記事があったので紹介しておきます。
最後に
以上、学割で安いからという理由だけではなく、プロに利用されている本当に便利なツールだけを紹介しました。
ここで紹介したツールを使いこなせるようになれば、他の学生作品とクオリティに差がついていくことでしょう!