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ゲーム系専門学校のメリット・デメリット【実際のところどうなの?】

ゲーム系専門学校のメリット・デメリット【実際のところどうなの?】

今回は某専門学校で4年間ゲームプログラミングの学科に在籍し、卒業後の現在ゲーム会社で働いているという立場から、専門学校のメリットとデメリットについて解説していきます。

見る人が見たらどの学校か分かるんですが、某専門学校と一応ぼかさせてもらいます。

他の専門学校についても卒業生の話を聞いていると大体似たようなものだと感じる部分があるので、今回はひとくくりにして説明していきます。

専門学校のメリット

大前提として、専門学校によって当たりハズレが激しいです。

ハズレの専門学校に入学してしまった場合はここで解説するメリットは一切得られず、デメリットだけになると思って頂いた方がいいです。

失敗しない専門学校の選び方についてはこちらで解説しています。

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個人では学びにくい技術を学べる

技術に関してはゲームプログラマーの学科を例にします。

C言語・C++

色々なプログラミング言語の原型となっている代表的なプログラミング言語ですが、初心者が学ぶにはハードルが高いです。

僕は現在ゲーム開発では主にUnityを使用していて、Unityではプログラミング言語にC#を使用します。

そのため実際のところC言語・C++はもう使っていません。それでも学んでいて本当に良かったと感じています。

C言語・C++でゲームプログラミングを学ぶことで身につく知識や考え方は、他の言語を使った開発でも大いに役に立ちます。

DirectX・OpenGL

グラフィックスライブラリと呼ばれる、ゲームで3Dグラフィックの表示をしてくれるものです。

最近はゲームエンジンを利用したゲーム開発が主流になってきています。

ゲームエンジンを使用する場合、エンジン側でグラフィックライブラリとの橋渡しをしてくれるのでゲーム開発者がこれらのグラフィックスライブラリを意識することはあまりありません。

それゆえ、特に僕が勤めているようなソーシャルゲームの会社ではDirectX・OpenGLに詳しい人は少ないです。

そういう時代だからこそ、DirectX・OpenGLを学べる専門学校のメリットが大きいんです。

ネイティブ開発

ゲームエンジンを使用しないゲーム開発はネイティブ開発と呼ばれています。

最近のゲームはハイグラフィック化が進み、スマートフォンのゲームでもグラフィックの品質は上がってきています。

そのような現状では、ただゲームエンジンを使いこなせるというだけでなく、更に深いグラフィック技術の知識が求められます。

ネイティブ開発を通して身につく知識はゲームエンジンを使う場合でも役に立ちます。

天神いな
天神いな
卒業後の現在、学生の時にもっと深く学んでおけば良かったと後悔しています…

専門学校の授業では主にPC向けであるDirectX・OpenGLを使用するのが主流かと思いますが、他にも

  • iPhoneやMacで動作するMetal
  • OpenGLのモバイル向け版であるOpenGLES
  • 最近のAndroidで対応されつつあるVulkan(ヴァルカン)

などがあります。

コンシューマハードの開発

コンシューマハード(家庭用ゲーム機)の開発機材を導入している学校もあります。

個人ではそもそも利用できないものもあるので、興味のある人にとっては大きなメリットの1つになるでしょう。

僕の時代はニンテンドーDSのゲームを作りました。

役に立っているかどうかは置いておいて、自分が遊んでいたハードで作ったゲームが動くのは感慨深いものがありましたし、なかなか楽しかったです。

同じ目標を持った人が集まる

周りはライバルでもありますが、就職の面で考えるとライバルは全国各地(場合によっては世界)の方が圧倒的に比率が大きいので、どちらかというと仲間意識の方が強くなります。

中には敵意MAXの人とかもいますが…。

情報交換

ゲーム制作に役立つ情報や就活の情報などを共有できます。

特に先輩から教えてもらう情報は実際の体験談や結果によるものが多くなり、役に立つことが多いので聞く価値は大いにありです。

チーム制作ができる

1人でゲームを作るのは大変ですが、役割分担ができれば作れるゲームの幅が広がります。

会社に入って1人で作るということはほぼ無いはずなので、チーム制作を経験しておくことは必ず役に立ちます。

特にプランナーの学科、デザイナーの学科、プログラマーの学科など、取り扱っている内容の幅が広い学校であれば共同開発がしやすいでしょう。

プログラマーの学科しかない専門学校の学生に話を聞いたらデザインも全て自分でやっているということで、なかなか大変そうでした。

コンテスト作品

チーム制作ができれば各種コンテストへ作品を応募して受賞を狙うことができます。

コンテストの受賞歴があれば就活でも有利になります。

僕は勤めているゲーム会社で採用にも関わっていますが、コンテストの受賞歴は評価ポイントの1つです。

ゲーム業界とのコネクション

個人では得ることが難しいコネクションを持っているのも大きなメリットの1つです。

インターンシップ

僕のいた専門学校では企業で1ヶ月働くインターンシップを実施していました。

企業によっては一般にインターンシップ生を募集していますが、このインターンに関しては学校専用枠が用意されており期間も長かったので、得るものも多かったです。

当然ながら内容は企業によりますが、インターンがきっかけで就職することも珍しくないです。

業界著名人の学内講演

普段だったら国内でも最大規模のカンファレンスでないと登壇しない、業界人なら誰しも知っているようなクリエイターが講演に来てくれることもあります。

これに関してはお世辞抜きで本当に貴重な話が聞けることが多いです。

就職作品プレゼンテーション

ゲーム会社では採用選考に作品応募を求められることが多いです。

そのため就職活動用の作品を制作するのですが、この作品を企業の採用担当が学校まで見に来てくれるイベントを実施していることがあります。

僕は学生時代に作品を見せる側として、現在は採用で見に行く側として、両方参加したことがあります。

学生としては自分をアピールするチャンス、企業側にとっても求めている技術を持っているかどうかの判断がしやすいので、双方メリットの大きいイベントです。

専門学校のデメリット

周りに足を引っ張られる

専門学校の場合は入試がない、もしくはあっても落ちることはほぼないので実質ないようなものです。

メリットとして同じ目標を持った人が集まることについて書きましたが、その反面まったくやる気がない人も大勢入学してくるので足を引っ張られることになります。

これが専門学校で最大のデメリットです。

大学のゲーム学部

各種コンテストや就職で結果を出していて名前を聞くことが多い、ゲーム制作関連の学部がある大学も存在します。

例えば『パックマン』を制作したことで知られる岩谷教授が在籍している東京工芸大学などがあります。

実際のところがどうなのかは分かりませんが、専門学校よりはやる気がない人の比率は少ないのではないかと予測できるので、このデメリットを回避するのに良い選択肢かもしれません。

同じチームになる可能性

こちらもチーム制作できるというメリットの裏返しで発生するデメリットです。

学校では自由にチームを作れず、やる気のない人と同じチームで開発することになる可能性が大いにあります。

これに関しては、ほぼ間違いなくチームを組むことになると思っていた方がいいです。

学内のみの制作ならまだ諦めもつきますが、コンテストに応募するチーム制作でメンバーのモチベーションが低ければまず受賞できるような作品を作ることは出来ません。

自分でチームを作る

学校で自由にチームを作れないなら自分で作ってしまえ。という考え方もありです。

僕は学生時代に日本ゲーム大賞アマチュア部門というコンテストで受賞しています(佳作ですが)。

その際のチームは学校の授業とは別で自分で作ったものです。

学校の授業と並行で作ることになるので当然ながら大変ですが、やる価値はあると言えます。

授業は平均合わせ

さすがにまったくやる気がない人は先生も見限りますが、やる気はあっても慣れなくてついてくるのが難しい人はサポートします。

平均レベルの人がついてこれるペースで授業が進むイメージです。

授業の内容をしっかり押さえておけば入れるゲーム会社もありますが、入社試験が厳しい会社を目指すなら授業以外でも勉強し続けることは必要不可欠です。

最新技術は学びにくい

専門学校の授業で扱われる内容は、最新技術ではなく数々のゲーム制作で使われてきた実績のある技術が中心です。

限られた時間で必要なことを学ぶという専門学校の特性上、今後使われるかどうか分からない最新技術よりも、ゲーム制作で必ず役に立つ技術を学ぶ方が優先度が高いのでこれは仕方がないことです。

専門学校の先生は現場で開発をしてきた人が多いですが、学校の先生になって現場から離れた時点で最新技術を把握するのが難しくなります。そもそも教えられる人がいないという状況です。

そのため、最新技術を身に付けたい学生は授業とは別で独学で勉強しています。

最新技術に関しては、研究できる環境がある大学などの方が強いと言えます。

方向転換がしずらい

ゲーム制作についてのみ専門的に学ぶので当然ではありますが、他の分野に方向転換することが難しくなります。

プログラムやデザインなど、ゲーム以外にいくらでも応用が効く分野であればまだ良いのですが、プランナーを目指していてゲーム業界に行けなかった場合、他の仕事では何もスキルがないのと同様の扱いを受けてしまうリスクがあります。

専門学校に入るなら、何がなんでもその分野でやりきる覚悟が必要です。

まとめ

ネット上では各所でゲーム系の専門学校について良い評判、悪い評判があります。それらは大抵の場合、実際にその人が体験したことが本当に書かれているものです。(入学したわけでもない人が憶測で書いていることは的外れですが)

今回、僕から説明したメリットについても、実際にゲーム業界に就職しなかった人から見ればメリットに感じないものも多いはずです。

メリットを最大限活かして、デメリットをなるべく回避できるかどうかは学校での過ごし方次第です。

専門学校にこれから入る人、既に入っている人はこちらも是非読んでみて下さい。

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